2022AWの収穫のひとつがこのビットローファー。
カルミナ、なんか昔からちょっと好きです。適度に洒脱でしっかり本格的と言いますか。
価格帯も小慣れていますよね。
靴の価格は凄まじい勢いで高騰していますから、ちょっとおいそれと手が出せない分野になりつつあります。
かくいう僕も靴を購入したのは久しぶり……
ブログ的にはスピーゴラのビスポークシューズ依頼のご紹介になりますね。
このビスポークシューズには本当に感動させられました。
記事を見返すと当時の感動が甦るようです。
今回は既成靴ですから、そのアプローチはまったく別もの。
(金額も別もの…)
それゆえの愉しみ方もあるというものですね。
ちなみに現在では「カルミーナ」と表記されていますが、僕がかつてこのブランドにハマっていたときは「カルミナ」表記だったので当ブログでは「カルミナ」に統一しています。
◆“ウェタム”というラスト
今回チョイスした靴は、“ウェタム”と名付けられたラストです。
このラスト、結論から申し上げてめちゃくちゃグッドです。
そもそも既に出ている画像だけでもラストの美しさを充分物語っていることかとは思うのですが、各部見ていくと更なる魅力を発見できます。
いや色気。
サイドのシェイプが完璧にセクシーですね。
あんまり見ない曲線美です。
◆各部ディティール
ヒール部。
キレイなフォルムです。
履き口に向かってテーパードする曲線はそれだけで美しさを感じさせます。
ビット。
個人的なこだわりですが、「ビットローファーを履くならゴールド」と思っています。
ここは好みではありますが、時計を含む装飾品がゴールドであることが多いのでそれに合わせています。
装飾品では金の含有量の多い18金を好んで使用していますが、さすがに靴でそんなディティールはあるはずもなく恐らく合金です。
ヴァンプ部は「U」の字に縫われています。
デザインとして美しいですね。
ちらっとしか写っていませんがアンラインド。ここも賛否両論がありますが、耐久面ではやはり不安が残りますね。
当然ながら履き心地は柔らかいです。
アンラインドについて少し触れると、ライニングがある方が当然耐久力が高いと思います。
しかしながらよく考えると靴棚に靴が30足近くあり、普通にローテーションを組めば月1回の頻度なんですよね。
仮に5日に一回履く方がいて、3年で寿命を迎えたとします。
30日に一回の6倍のペースなわけですから、単純に考えると18年持つのでは?
……いる?耐久性………。
というわけで、今回はライニングがむしろない方が吉かな、と結論付けました。
ソールです。
丁寧に仕上げられ、美しい色味です。
サイズは7.5。カルミナのロゴが入ります。
そして……。
レンデンバッハ!!
レンデンバッハじゃないか、どうしてたんだよおまえ!
最近トンと見なくなって……え?生産終了?そんな……。
ん?キルガー社?生産継続??なんだよおまえ、メンヘラなのかよ!
環境が変わるとかよくわからねーよ!!
◆着用
革はコードヴァンなわけですが、その光沢と相まって迫力を感じます。
でも“色気”って力強さだけじゃない。
むしろその逆の脱力感を覚えます。
このパワフルとリラックスが同居した感じ……これがエレガントなスタイルを産むのか。
しばらく履いて小慣れた雰囲気。
ここにきて本領を発揮し始めているような気がします。
やはり脱力感。履きじわも演出のひとつ。
◆まとめとあとがき
総じて、とてもいい靴です。
フィッティングもうまくいき、痛い部分もありません。かかとの抜けもありません。
強いて言えばもう少し締め付けがあればよかったですが、そこまで気にしません。
というか既成靴に過度なフィッティングを求めるのはナンセンスですね。
バーガンディーのコードヴァンを使ったビットローファー。
カルミナの感性、ラストにはこの要素がしっかり当てはまっているような気がします。
有り体に言えば、自分で選んだ靴の癖に「それそのブランドで買わなくても良くない?」みたいに思うこともあるのですがこれはカルミナしかありません。
それほど満足感の高い、素晴らしいローファーでした。
コメント