最近はインスタグラムでは比較的寡黙な僕ですが、Twitterではめちゃくちゃ饒舌です。
自分の中で使い分けができたようで。
インプットとしても、Twitterで交流のある方にお勧めのアイテムを伺ったりしたうえで、インスタグラムで画像を拝見したりすることが多い。
今回の成り行きもそんな感じでTwitterでおすすめ頂いたことがきっかけになるのですが、なかなか壮大な物語になりました。
これ、プロローグとして書いてるけどあとがき時点で読み返して「どこが壮大なんだよ、そうでもねーよ」とならないか?不安だ。
◆#俺の自慢のタッセルローファー
悩める僕に【俺の自慢のタッセルローファー】を見せてくれ。
— 【yurime】 (@yurime07850215) January 18, 2022
RTで飴ちゃんあげます。#俺の自慢のタッセルローファー
まあ、ご覧の通りかなり緩くなんとなく投稿したハッシュタグ。
(それっぽく言ってるがハッシュタグとしては全く機能していないのでよく考えるとかなり恥ずかしいことになっている)
僕としては思った以上に反応して頂いた所感でした。
見せて頂いたタッセルローファーは全て調べまくった次第です。
なかでも目に留まったのは、こちらの投稿。
A’Tto~van~Nucci pic.twitter.com/NPJoAnWTwK
— 【yurime】 (@yurime07850215) January 22, 2022
間違えた。
これはダダスベりした僕のネタツイートだった。
サンタ・メルケーデ https://t.co/2gV91cL9vG pic.twitter.com/O8UlmRU2Ai
— 雨降蛙 (@uwant_whenever) January 18, 2022
こちらです。
界隈では言わずと知れた、雨降蛙さんの投稿です。
凄まじい色気。
個人的な装いのテーマとして、基本的にはアンダーステイトメント、つまりこれみよがしだったり華美過ぎない装いを好んでいます。
ただし、服や靴が好きでいると少し凝ったディティールや意匠にも惹かれることは往々にしてありますね。
そういった場合、オーバーステイトメントにならないように気を付けているのが「品があるか(良いか)?」といった点です。
今回の投稿にある靴は、僕の所感としてはまさにエレガント。
普通のタッセルローファーではないながら、気品漂う素晴らしい靴でした。
サンタメルチェーデは大阪にあるオーダー靴ブランドのアトリエで、僕の通うオフィスから徒歩15分という運命的立地。
早速伺ってみた次第。
◆訪問前
お伺いする前に情報収集が必要なわけですが、手っ取り早くお店に問い合わせます。
実は昨年、軽くお問い合わせしたことがあったのでサンタメルチェーデの佐藤さんとはSNS上ではご挨拶させていただいておりました。
しかし今回、いよいよお伺いすることになったもので改めてご挨拶&問い合わせ。
夜中0時過ぎに。
驚きの非常識さですね。それでも社会人か。
まあしかしブランドの名を冠したインスタグラムのアカウントから問い合わせているので、明日の営業時間にでも見て頂ければ良いかなとこれまたゆるく考えていました。
5分で返信来た。
もうわけがわかりませんね。
ストイックなのか?
※めちゃくちゃたまたまだと思うので、サンタメルチェーデさんに問い合わせする際は「夜中でも返信来るらしいぜ」みたいな感じはやめときましょう。
※アポイント制ですので、事前問い合わせは必須です。
サンタメルチェーデのインスタグラムはこちら。
◆サンタメルチェーデ
お伺いしたのはオフィスの一角。
当然、真っ先に靴に目が行くのですが、出迎えてくださった佐藤さんの柔和なお人柄にあてられいきなり数十分の世間話をしてしまいました。
佐藤さん、すごくお話がお上手な方ですね。
(こう表現するとときどき誤解を招きますが、所謂「営業マン」めいた雰囲気ではなく精錬さが伝わるお人柄です)
こちらはお召しになっていたコインローファー。
カジュアルなフォルム、素材に白ソックスと明るいデニムが絶妙に合ってますね。
この素材はリャマ風に型押しした柔らかいカーフ。
履き心地もちょっと違うとか。
リャマ風カーフはブラウンを見たことがありましたが、黒は初見でした。
粗野でありながら繊細な印象はローファーの性質ともマッチングしていますね。
◆サンタメルチェーデのコレクション
ここからは見てきた靴の紹介です。
サンタメルチェーデはローファー専門のブランド。
ローファー好きの僕としては心躍るところ。
なんといってもこの靴。
サンタメルチェーデのアイコン的な靴と言っても良さそうです。
この独特な結び方をされたタッセルとエレガントなフォルム。
先ほどのコインローファーとは打って変わってユニークなモデルです。
この結び方はジョンロブのタッセルローファーにも見られますが、タッセルの長さや素材によってガラッと雰囲気が変わるようですね。
唯一無二の存在感だと思います。
ショーケースに入った、横からのフォルム。
ウエストのくびれが美しいですね。
この革は佐藤さんが独自のルートで仕入れられた限定品だそうで、現在の在庫は無いとのこと。
個人的にはまたいずれ素晴らしい革が入るんじゃないかと勝手に期待しています。
こちらはまたデザインが異なるタッセルローファー。
ロングウィングチップがアメリカ的ですが、やはり上品。
こちらのタッセルはよく見る結び方で、バランスが取れています。
このスエードとの同色異素材コンビ、ちょっとずるいですね……。
かっこいい。
こちらはビットローファー。
このビットローファー、スエードに型押しレザーを配したものですが、なんとあの「Shibumi Firenze」の代表がオーダーされたモデルだそう。
このコンビも素敵ですね。リアルクロコだとまた違った雰囲気でしょう。
こちらがキルトとストラップが付いたモデル。
このボリューム感が良いですね。素材の使い方や配色が絶妙です。
カジュアルで検討していたら第一候補に挙がったモデルでしょう。
ジャケットスタイルにめちゃくちゃはまると思うんですよね。
個人的に、タッセルローファーを見に行っておきながら最も気になったのがこちらのモデル。
フルサドルで、窓がない。
まさにスーツに合わせに来たかのようなモデルです。
サドル部のみエキゾチックレザーなど、コンビでオーダーするのもかなり良さそう。
とはいえこのダークブラウンスエードの端正な佇まいも魅力的です。
訪問型営業職の僕にとってこのローファーはかなり良い。
どのモデルも経験豊富なビスポーク職人がハンドソーンで制作されるそうで、クオリティは折り紙付きです。
素材もいろいろ選べますが、このピングレイン(左)が美しい。
黒っぽく見えますがダークブラウン。
田舎っぽすぎないシボ感がむしろ逆に都会的ですね。
◆まとめとあとがき
今回は「訪問記」ということで、取材に近い内容になりました。
ローファーはレイジーマン同様「怠け者」という意味があるようですが、かっこよく脱力している感じはまさに洒脱、佐藤さんとお話しているとそう感じました。
靴好き……とりわけ「靴クラスタ」と呼ばれる方々の足元にも(靴だけに)及びませんが、我が家のシュークローゼットには20足以上の靴が収まっています。
これだけあると求めるのは汎用性ではなくシチュエーション特化。
今回僕は「スーツでも履ける脱ぎ履きしやすい靴が欲しい!」とタッセルローファーを求めて伺いましたが、ローファーの懐は思った以上に深かった。カジュアルでもドレスでも、合わせていける楽しさを再認識しました。
繰り返しになりますが、サンタメルチェーデはアポイント制です。
実際伺ってみると「え?ここ?ほんとに?」みたいなとこにあるので、行かれる方は必ず事前に問い合わせましょう。
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