お待たせしました。
お待たせしすぎたのかもしれません。
もはやその全容はあらゆる媒体を通して日々語りつくされているところ、まさに今さらyurimeが切り込みます。
僕がDORSOで初めて仕立てて頂いたジャケット。
そのクオリティやいかに。
そして果たしてyurimeは満足したのか?
満足したなら二着目はあるのか?
いやもう前回の記事で二着目確定しとるやないか?
そういった謎たちをこの記事で明らかにしていきます。
◆選んだ生地
今回選んだ生地はこちら。
愛機カラトラバの新しいベルトの色味とも照らし合わせ、齋藤氏と相談しながら決めたものです。
ピアツェンツァのアンダイドツイード、つまり無染色です。
染色していないこの生地は、ウール本来のナチュラルな色味、質感が特徴です。
以前にもアンダイドの生地で仕立てて頂いたことがありました。
以前はCOLで仕立てて頂いたものです。
ペコラネラという、ロロピアーナのコレクションを用いましたが、この時からアンダイドの色味にはとても惹かれていたこともありご用意頂いた流れでした。
少し細かいハウンドトゥース。
この柄もリクエスト通りです。本当は一番下のブラウンが使いやすいかなとも思いましたが、服はたくさんあるのであえて「使いやすい」にふらなくてもいいだろうと判断しこの生地に決めました。
◆仮縫い
今回は仮縫いがついています。
はじめての顧客が受けられるサービスのようです。
いつまでこのサービスが続けられるのかは存じ上げませんから、気になる方は事前に問い合わせされることをお勧めします。
仮縫いとは即ち「服・フィッター・顧客の三者面談」と理解しています。
服抜きであれやこれやと語るのではなく、顧客抜きであれやこれやと悩むのでもない。
例え修正箇所がなくとも進捗を確認することに意味があるのだと思います。
今回はまさに素晴らしいフィッティングであることが確認できました。
肩から首すじにかけてのノボリも良好です。
妙な皺も入っていません。齋藤氏にはずいぶんフィッティングしてもらいましたから、初めから特に心配はしていませんでしたがやはりクオリティの高さが覗えて満足感のある仮縫いでした。
仮縫い……。
ちょっとイベントめいたおもしろさがありますよね。笑
もちろんフィッティングはさらに向上するでしょうから、まさしくはじめてオーダーされる方には嬉しい特典です。
◆完成したジャケット
そしてこちらがその完成品。
袖ひとつ釦、パッチポケットとカジュアルなディティールです。
詳しく見ていきましょう。
まずは釦。
アンダイドの色味に合わせて優しい雰囲気のナットボタンを合わせてもらいました。
袖釦。
わかりにくいところですが、ボタンホールはオプションで手縫いにして頂いています。
とことんぬくもりのあるディティール。
衿穴も手縫い。
今回は全てのホールを手縫いにして頂いています。
後ろから見ても魅力的なジャケット……。
◆着用
なにはともあれ着てみます。
フィッティングの良さは、経験豊富な紳士諸兄にも、そうでない駆け出し紳士にもひと目でわかるものかと思います。
MTMでこれだけ身体に合うなら最高です。
肩の雰囲気。
今回は肩も手で仕上げて頂きました。(オプション)
座ってみた。
肩の乗り方にフィッティングの妙を感じます。
どんな体制でも無理がなく、それでいて無駄がない。
袖口のリラックス感も見事なもの。
少し広めであることが、絶妙にくつろげる雰囲気を醸し出しています。
しかもやはりというべきか、生地のクオリティが高いことも着心地を向上させています。
総じて「良いジャケット」に仕上がっています。
色柄は少しラグジュアリーすぎるかとも懸念しましたが、杞憂に終わりました。
確かに「どこにでも着ていける」種のものではありませんが、自己表現がひとつまみ入った適度なユニークさ。
服を仕立てるならこんなふうに楽しむといいのだな、と今さら再確認。
◆まとめとあとがき
ブランドにはブランドごとの個性があります。
その個性とはブランドオーナーの世界観そのものであることが多いと思いますが、DORSOのプロダクトにおいてはやはり色気が滲みでるような雰囲気があるように感じます。
オーナーである齋藤氏は、どう考えても女性にモテエレガントな雰囲気のある御仁ですから、その魅力が服にも反映しているのかもしれません。
まだオーダーしている服は後に控えていますから、そちらも随時レビューしていきたいところです。
ええ、ほんとうに。
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