極地にて:パテックフィリップ カラトラバ(5119R)

時計

普段から僕が購入しているものは、特に気にって購入している場合がほとんどです。
それでもおいそれと「究極」だとか「最上」といった表現は使うことはありません。その道には常に突き詰めるところがあって、そういった深い部分を楽しんでおられる方からすればともすると失礼な表現になってしまう可能性があるからです。

しかし今回は、あえてそれでも「極地」と表現したい。

「いつかはカラトラバ」

20歳そこそこの頃から口にしていたこの言葉は、5119という素晴らしい着地どころを見つけました。
多くの服飾好きを魅了してやまないパテックフィリップのプロダクト。

それは魅力というより、僕には魔力に近いように感じます。

◆ PATEK PHILIPPE

僕が語ることも恐れ多いのですが、やはりこれまでの流れに沿ってブランドから紹介します。

1839年創業。
完全なるマニファクチュール。

これについて長々と語るのも野暮ですから、公式HPから僕が好んだ一文だけ引用しておきましょう。

パテック フィリップのオーナーに、所有するタイムピースについて語ってもらいましょう。それは常に情熱と感動と共感あふれる物語です。なぜでしょうか? それはパテック フィリップが時を告げる計器以上のものだからです。パテック フィリップ、それは貴重な思い出を込めたパーソナルでユニークなオブジェなのです。パテック フィリップの購入は、職業的な成功、結婚、誕生など、きわめて個人的な記念すべき出来事に結びついています。パテック フィリップを贈ることは、この上なく強い愛情の表現なのです。

https://www.patek.com/ja/%E4%BC%9A%E7%A4%BE/%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AB#%E3%83%91%E3%83%86%E3%83%83%E3%82%AF-%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%AB

貴重な思い出を込めたパーソナルでユニークなオブジェ。
まだ新米ですが、この一文がさすところ、片鱗には触れたような気がしています。

◆カラトラバ

カラトラバは、それだけで確率した一つのジャンルといっても過言ではありません。
王道の「96シリーズ」(クンロクと呼ばれます)からはじまり、派生があります。
狭義には、カラトラバと名がついていてもカラトラバとしてファンに認められていない亜流の面持ちのものもあるそうです。
僕の5119も厳密にはその部類かもしれません。

趣味性の高いジャンルですから、公式とファンの見方が違うこともあるのですね。
少し面白い現象です。

いずれのモデルも洗練されていて、美しい佇まいです。
検索してみるとカラトラバの選び方なども指南してくれるような記事が散見されますから、購入を検討されている方はご覧になられても面白いかもしれません。

◆ディティール

ともあれこの美しいディティール、写真と共に紹介したく。
探せばいくらでも時計の画像など出てきますから、着用画像多めににお送りします。

まずなんといってもシンプルかつ荘厳な雰囲気です。
ローマインデックス、クルドパリ装飾が施されたベゼル、心地よいほど純白。
こんなに細いのに、どこか力強い雰囲気を持つ針も特徴的です。
「貴」の一文字がよく似合う、壮麗な一本です。
5119はケースが3種類ありますが、こちらはローズゴールド。

96シリーズとはラグも大きく異なります。

5119のラグは直線。
96シリーズは流線形で、美しい曲線を描いています。

3196。画像お借りしました。

5119は96とは違いラグが一体型ではないようです。
ケースにロウ付けされているとか。どちらもエレガントですが、この曲線もカラトラバの代表的な特徴のひとつ。曲線美に魅了された方は96シリーズを選ぶのが吉、といったところですね。
とはいえ最新のクルドパリモデルである6119は96の様相をしていて、ラグも一体型のようですが。

ケースバック。
スケルトンです。ムーブメントはキャリバー215PS。
PSはスモールセコンドを指します。
このケースバックからは様々な情報が読み取れるのですが、知見がなくそこまで詳細に読み取ることができません。
PPのマークがありますが、これは「パテックフィリップシール」。
ジュネーブシールを超えた、パテックフィリップ独自の厳しい基準をクリアした証です。
2009年のものからこのパテックフィリップシールがつくそうです。でもシールではないやろ。

少しひいて。
全体的にみると美しさが際立ちます。
ちなみに純正ストラップはワンタッチで取り外しが可能。カミーユフォルネなどに見られるディティールですが、本当に便利ですよね。腕時計はストラップで驚くほど表情が変わりますから、これだけで愉しみが増えるというものです。

リューズにはカラトラバ十字の紋章が。
ミドルケースはヘアライン仕上げですね。美しい。

◆洋服との親和性

これについてはまだ研究中なので加筆必至ですが、自分なりにお気に入りの装いを。


ロロピアーナのペコラネラを使ったスーツ
シャツはレスレストン、タイはアットヴァンヌッチです。

甘く柔らかい雰囲気がローズゴールドのケースに合うような気がしました。


薄型のキャリバー215はシャツへのおさまりもよく、スーツとの相性も当然ながらとても良いです。
このカラトラバ、シンプルなだけに持つ者によって雰囲気が大きく変わる気がします。
不思議な魅力はこういうところにもあって、奥が深いですね。

ネイビーのブレザーを合わせて。
合わないわけがありませんね。華やか且つ引き締まった雰囲気です。

◆まとめとあとがき

カラトラバの魔力は、筆舌に尽くしがたいもの。
実際に見てみないとわかりませんし、つけてみないとわかりません。
そして、所有してみて初めてわかる魅力もあります。

パテックフィリップはリピーターもかなり多いのだとか。
僕には到底リピートする財力はありませんが、気持ちはよくわかります。
パテックフィリップを手にしたそのときから、パテックフィリップにしか埋められない欲が生まれたような気がします。

クラシックスタイル愛好家であれば必ず手にしたい金無垢3針のドレスウォッチ。
最高の一本に辿り着くことができました。
ここに辿り着けたことは、多くの方に支えられた証です。
ここは感謝で締める以外にありません。


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装い、メソッド。

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