春夏のブラウンスーツ:リングヂャケットマイスター

スーツ

ベージュとか、ブラウンとか、茶系のカラーが好きなのでほっとくと年中秋冬みたいになってしまいます。

季節感を装うことは服の楽しさのひとつですから、それではもったいない。
しかし、色合いだけが季節感ではありません。一番わかりやすくはありますが。

◆リングヂャケット

言わずと知れたドメスティックブランド。
「注文服のような着心地の既製服」がもともとのコンセプトだったかと思いますが、今やオーダーも高額で受けているそうです。

年々発売される新しいコレクションの価格は吊り上がっているような気がするのは、昨今の情勢の影響だけではなさそうです。
明らかに高級な素材、ラグジュアリー感を打ち出しています。
もしかしたら今は変革期なのかもしれませんね。

◆マイスターライン フォックスエア

これが今回のスーツ。
リネンのように見えますが、生地はFOX AIRと呼ばれるフレスコに近いものです。

フレスコは夏の素材の定番で、ざっくりとした触り心地が特徴です。
僕は完全にフレスコだろこれ、と思ってるんですが、似て非なるものだそうです。
なんどきいても何が違うのかわからなかったので、とりあえず諦めました。

この雰囲気……かなりクラシックじゃありませんか?
実はこの型紙、リングヂャケットのなかでもとりわけクラシックなもの。

No-294というモデルのジャケットで、ゴージ位置が低く鋭角に下がっています。
ボタン位置を高めにすることで懐古主義的にならないように配慮されてるようですね。
そしてこのジャケット、ノーベントです。
個人的にはノーベントはウェルカムです。特にリネンとか、背中がまくれあがらないようにノーベントにするのはアリでは、と思いますね。

生地とボタンホールの雰囲気です。
青っぽい色も混ざっていて、手縫い感があります。
そしてざっくりした質感はこの画像からも感じ取られますね。
春夏ならではの風合いです。

◆着用

着てみると、クラシック且つエレガントな印象。
古典的でありながら、モダンさもあります。
ボタン位置が高くなることでVゾーンの演出がかわるのでしょう。全く古臭い印象がありません。

青っぽいカラーを差してみると、よりさわやかな気がします。
夏にネクタイ締めてる時点でさわやかなワケねーだろ。

Vゾーンのアップ。
やはりきれいなバランスですね。

肩の縫い付けもポイントでしょう。
立体感が出ていて、あえてめちゃくちゃテキトーな物言いをすると「良いスーツ感」があります。

◆ブラウンスーツに合わせる靴について

昨今のトレンド、と言えば俗っぽいものがありますが、スーツを購入する際に店員の方から伺ったアドバイスに「ぜひ黒靴をあわせてほしい」といったものがありました。
これには個人的には完全に同意していて、黒の引き締まった雰囲気が足元や小物に重要だと思います。
まだまだ画像検索してもブラウンスーツには茶靴を合わせる例が多いですが、少し浮ついたイメージです。
あくまでビジネスマンとして茶をまとうなら、どこかで中和してバランスをとるのが良いと思いますね。

ユタカーフのタッセルローファー。
お客様の自宅にお伺いすることも多い私にとって、この靴は手放せない一足です。

素材感のあるウイングチップはどうでしょうか?
ネイビーのシューレースが少々悪目立ちしているような。
これはちょっと遊びだったかな。

これは茶靴ですが、かなり黒に近いダークブラウンです。
シボ革多すぎ問題。
しかしこれはグッドな気がしますね。

これは雨の日の洗濯。
エドワードグリーンの名作、ドーバーは悪天候でこそ活躍しますが、やはり黒靴の方がイメージに合うなあ。

全体的に素材のキャラクターが強すぎてわかりにくかった節がありますが、スムースレザーの靴とあわせた画像はいずれ追記するとします。

◆まとめとあとがき

ブラウンスーツはグレーやネイビーが揃った後のお楽しみ、といったイメージがありますが、今や僕のワードローブでは最も多いカラーです。
30歳ビジネスマン。そんなに堅い装いを求められるケースも多くありませんから、このくらいの余裕があっても素敵でしょう。

また、黒靴との合わせについては個人的にとても興味深く、自身のレパートリーが大きく広がった感触がありました。

ちなみに時計も黒ストラップが良い気がしますね。
ブレゲクラシックを合わせてみました。

やはりしっくりくるなと。
柔らかいカラーは引き締めたほうが日本的ですね。

今回は改めてブラウンスーツについて再考しながら執筆しました。
新しい価値観が自分に芽生え、とても有意義でしたね。

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